企業の人事・労務担当者や管理職にとって、労働法の知識はもはや“あれば便利”ではなく“必須スキル”になりました。働き方改革、ハラスメント防止、労働時間管理、非正規雇用の適正化など、企業が向き合うべき課題は年々複雑化しています。
その中で注目されているのが、全日本情報学習振興協会(全情協)が主催する「労働法務士認定試験」です。労働法を体系的に学び、実務に活かせる専門知識を証明できる民間資格として、多くの企業担当者から支持されています。
本記事では、労働法務士認定試験の試験の特徴、難易度、メリット、学習方法まで徹底解説します。
労働法務士認定試験とは?
労働法務士認定試験は、一般財団法人 全日本情報学習振興協会(AJILA)が主催する民間資格試験です。
労働基準法や労働契約法、社会保険、労務管理、コンプライアンスなど、企業活動に欠かせない労働法務の基礎知識から実務知識までを体系的に問う試験として位置づけられています。
近年、企業を取り巻く労務環境は急速に変化しています。
・働き方改革関連法
・ハラスメント防止法制
・同一労働同一賃金
・テレワーク・副業対応
こうした変化により、「労務の知識がある人材」の重要性は年々高まっています。
労働法務士は、労働法務に関する一定レベル以上の知識を有していることを客観的に証明できる資格として、実務家・ビジネスパーソンを中心に注目されています。
全日本情報学習振興協会(AJILA)とは?
労働法務士認定試験を主催する全日本情報学習振興協会は、法律・情報・ビジネス分野を中心に、実務に役立つ資格試験を多数実施している団体です。
同協会の資格の特徴は次の通りです。
- 実務に直結する知識を重視
- 法改正や社会動向を反映した出題
- 初学者でも挑戦しやすい設計
- キャリアアップや自己研鑽に使いやすい
「学術的な難解さ」よりも「現場で使える知識」を重視している点が、労働法務士認定試験の大きな魅力です。
労働法務士を取得する5つのメリット
「社労士があるから、この資格はいらないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、労働法務士には独自のメリットがあります。
人事・労務担当者としての専門性向上
人事部門で働いていると、従業員から「この残業代の計算は正しいですか?」「有給休暇の取得について教えてください」といった質問を日常的に受けます。労働法務士の学習を通じて、根拠となる法律を即座に示せるようになり、社内での信頼が格別なものになります。
「予防法務」のスキルが身につく
社労士試験が「手続き(事務)」に重きを置くのに対し、労働法務士は「トラブル回避のための判断」に重点を置いています。例えば、「どのような手順を踏めば、適法に懲戒処分を行えるか」といった実務的な視点が養われます。
就職・転職でのアピール
特に「法務部」や「人事部」への転職を目指す際、履歴書に「労働法務士」と記載されていることは、労働法に対する一定の知見があることの証明になります。未経験者であれば、意欲と基礎知識を示す強力な材料となります。
社労士試験へのステップアップ
社会保険労務士試験は、合格率5〜7%の超難関国家資格です。いきなり社労士に挑んで挫折する人も多い中、労働法務士はその主要科目である「労働基準法」「労働安全衛生法」「一般常識」をカバーしているため、入門編として最適です。
認定番号が付与され、名刺に記載できる
合格者には認定証と認定番号が発行されます。名刺に「労働法務士」と記載することで、対外的なプロフェッショナルとしてのセルフブランディングに役立ちます。
労働法務士はどんな人に向いている?
- 人事・労務・総務担当者
- 管理職
- 社会保険労務士を目指す人の基礎固め
- 労働問題に関心があるビジネスパーソン
- 企業のコンプライアンス強化に関わる人
特に、企業内で労働法の専門家として活躍したい人に最適です。
労働法務士認定試験について
分類
民間資格
受験資格
誰でも受験できます。
申込期間
- 2月中旬~5月中旬
- 5月中旬~8月中旬
- 9月中旬~11月中旬
- 11月下旬~翌1月下旬
申込方法
インターネットで申し込みできます。
試験日
- 6月中旬
- 9月中旬
- 12月中旬
- 翌3月中旬
年4回実施。
合格発表
試験より約1ヶ月後
受験料
- 一般:16,500円(税込)
- 学割:13,200円(税込)
試験方式・受験方法
受験方法は柔軟で、ライフスタイルに合わせて選べます。
公開会場試験
全国主要都市の会場でマークシート方式。
オンライン受験
360度カメラを使用し、自宅から受験可能。
CBT試験
全国のテストセンターでパソコン受験。
試験地
- 公開試験
東京、名古屋、大阪、福岡 - CBT試験(全国の提携校でのパソコンのシステムで受験)
函館、札幌、青森、盛岡、仙台、郡山、水戸、小山、大宮、川越、千葉、日本橋、池袋、赤羽、品川、新宿、立川、町田、鎌倉、新潟、富山、福井、甲府、長野、岐阜、浜松、名古屋、東岡崎、京都、大阪、天王寺、神戸、奈良、和歌山、鳥取、広島、山口、徳島、高松、博多、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 - オンライン受験(自宅など)
試験内容
- 労働法総論
労働法の意義と沿革など、憲法上の基本規定 - 雇用関係法
労働契約の法理、労働条件の最低基準保障、安全・健康の確保、災害補償、労働者の人権保障と差別の禁止 - 労使関係法
労働組合法 - 雇用保障法
一般雇用保障法、特別雇用保障法、 - 労働紛争解決のシステム
労働関係調整法等 - その他の法規
外国人労働者に関する法規
合格率
30%程度
勉強時間・勉強方法
勉強時間
勉強時間は、人によって異なります。以下は、一つの目安です。
50〜100時間
勉強方法
公式問題集の活用
全情協が発行する「労働法務士認定試験 公式精選問題集」は、100問収録されており、試験対策に最適です。
SMART合格講座の受講
全情協のSMART合格講座は、動画講義・答練・進捗管理などが充実しており、合格者からの支持も高い講座です。
労働法務士認定試験の書籍
労働法務士認定試験の書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 一般財団法人 全日本情報学習振興協会
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
労働法務士は“実務に効く”資格
労働法務士認定試験は、派手さはありませんが、
- 実務で本当に使える
- 学び直しにちょうど良い
- キャリアの武器になりやすい
という、堅実でコストパフォーマンスの高い資格です。
人事・労務の知識は、一度身につければ長く役立ちます。
これからの時代に備え、「労働法務の専門性」を証明できる資格として、労働法務士認定試験への挑戦をぜひ検討してみてください。

