マイナンバー制度は2015年に導入されて以来、行政手続きの効率化や個人情報の一元管理を目的に急速に普及してきました。企業側も従業員のマイナンバーを扱う場面が増え、正しい知識と適切な取り扱いが求められる時代になっています。
その中で注目されているのが、全日本情報学習振興協会が主催する「マイナンバー実務検定」です
マイナンバー実務検定とは
マイナンバー実務検定とは、マイナンバー制度を正しく理解し、実務で安全かつ適切に取り扱うための知識を証明する民間資格です。企業や団体において、マイナンバーは給与計算、社会保険、税務関連など、幅広い業務で利用されており、その取り扱いを誤ると情報漏えいや法令違反といった重大なリスクにつながります。
こうした背景から、単なる制度理解だけでなく、実務レベルでの運用・管理・リスク対策まで含めて体系的に学べる資格として注目されているのが、マイナンバー実務検定です。
1級~3級まであり、何級からでも受験できます。
受験方式は、オンライン受験、会場受験、CBT受験があります。
マイナンバー制度と実務の重要性
マイナンバー制度は、国民一人ひとりに割り当てられた12桁の個人番号を用いて、行政手続きの効率化や公平・公正な社会の実現を目的としています。一方で、マイナンバーは「特定個人情報」として、通常の個人情報よりも厳格な管理が法律で求められています。
実務においては、
- 取得してよい場面は限定されている
- 利用目的を明確にしなければならない
- 厳重な安全管理措置が必要
といったルールがあり、これらを正しく理解していないと、知らないうちに違法な運用をしてしまう可能性があります。マイナンバー実務検定は、こうした「実務担当者が陥りやすい落とし穴」を防ぐための知識を身につけられる点が大きな特徴です。
マイナンバー実務検定を取得するメリット
実務で即戦力として評価される
マイナンバーを扱う部署では、「制度を理解している人材」が強く求められています。資格を持っていることで、安全に業務を任せられる人材として評価されやすくなります。
コンプライアンス意識の高さを証明できる
近年、企業のコンプライアンス体制は厳しくチェックされています。マイナンバー実務検定は、法令遵守の知識を持っている証明となり、転職や昇進の際のアピール材料にもなります。
業務ミス・情報漏えいリスクを減らせる
正しい知識を身につけることで、「知らなかった」「うっかりしていた」といった理由によるトラブルを防ぐことができます。これは、個人にとっても企業にとっても大きなメリットです。
どんな人におすすめの資格か
マイナンバー実務検定は、以下のような方に特におすすめです。
- 人事・総務・経理部門で働いている方
- 社会保険や税務関連業務に携わる方
- 中小企業で事務を幅広く担当している方
- 個人情報管理やコンプライアンスに関心がある方
- 将来的に管理職や責任者を目指している方
専門職だけでなく、一般事務職のスキルアップ資格としても非常に相性が良い点が魅力です。
マイナンバー実務検定の試験について
分類
民間資格
受験資格
誰でも受験できます。
申込期間
- 2月下旬~5月下旬
- 5月下旬~8月上旬
- 8月上旬~11月上旬
- 11月中旬~翌年2月上旬
申込方法
インターネットから申し込むことができます。
試験日
- 6月
- 9月
- 12月
- 翌年3月
合格発表
試験日から1週間~2週間後
受験料
- 3級:7,700円
- 2級:8,800円
- 1級:11,000円
試験地
- オンライン受験
インターネット環境がある場所 - 会場受験
札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、横浜、名古屋、津、大阪、神戸、福岡 - CBT受験
全国の提携校でのパソコンのシステムで受験
試験内容
- 3級:マークシート方式、50問、60分
番号法成立の経緯・背景、番号法の概要、個人と番号法、民間企業と番号法、地方公共団体・行政機関・独立行政法人等と番号法、番号法のこれから、罰則、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)、関連法令等 - 2級:マークシート方式、60問、90分
番号法の背景・概要、総則、個人番号、個人番号カード、特定個人情報の提供の制限等、情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供、特定個人情報保護評価等、個人情報保護法の特例等、特定個人情報の取扱いに関する監督等、機構処理事務等の実施に関する措置、法人番号、雑則、罰則、附則、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)、関連法令等 - 1級:マークシート方式、80問、120分
番号法の背景・概要、総則、個人番号、個人番号カード、特定個人情報の提供の制限等、情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供、特定個人情報保護評価等、個人情報保護法の特例等、特定個人情報の取扱いに関する監督等、機構処理事務等の実施に関する措置、法人番号、雑則、罰則、附則、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)、関連法令等
合格基準
- 3級:70%以上
- 2級:70%以上
- 1級:70%以上
合格率
- 3級:81.3%
- 2級:52.5%
- 1級:30.3%
※合格率は、2015年のデータです。
勉強時間・勉強方法
勉強方法
独学で勉強可能です。
マイナンバー実務検定の書籍
マイナンバー実務検定の書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 一般財団法人 全日本情報学習振興協会
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
実務に強い資格としての価値
マイナンバー実務検定は、単なる知識資格ではなく、「安全に業務を回せる人材」であることを証明できる実務系資格です。マイナンバー制度が続く限り、その重要性は今後も変わりません。
事務職としての専門性を高めたい方、コンプライアンス意識を強みにしたい方にとって、マイナンバー実務検定は非常におすすめできる資格です。ぜひこの機会に、取得を検討してみてはいかがでしょうか。

