不動産投資の裾野が広がり、一般消費者が競売物件にアクセスしやすくなった今、「競売不動産取扱主任者」という資格が注目を集めています。競売不動産は通常の不動産取引とは異なり、法的リスクや手続きの複雑さが伴うため、専門的な知識を持つアドバイザーの存在が不可欠です。
本記事では、競売不動産取扱主任者の概要、必要性、試験内容、難易度、活かし方まで詳しく解説します。
1. 競売不動産取扱主任者とは?
競売不動産取扱主任者は、競売不動産の入札・落札・明渡しまでの一連のプロセスに関する専門知識を持つことを証明する民間資格です。
競売不動産は、裁判所が差し押さえた不動産を売却する制度で、一般の不動産より安く購入できる可能性がある一方、占有者とのトラブルや物件状況の不透明さなど、リスクも多く存在します。
不動産競売流通協会(FKR)は、こうしたトラブルを未然に防ぎ、一般消費者が安心して競売制度を利用できるようにするため、2011年に資格制度を創設しました。
なぜ今、競売不動産取扱主任者が必要とされるのか?
競売市場の拡大と一般化
インターネットの普及により、競売物件情報は誰でも閲覧できるようになりました。一般消費者の参入が増える一方で、競売代行業者とのトラブルも増加しています。
法整備の遅れ
競売不動産の助言や手続き代行に関する法整備は十分ではなく、悪質業者によるトラブルが後を絶ちません。
専門家の需要増
競売不動産は通常の不動産取引とは異なる知識が必要であり、専門家によるサポートが求められています。
こうした背景から、競売不動産取扱主任者は「安心・安全な競売取引を支える専門家」として重要性が高まっています。
競売不動産取扱主任者を取得するメリット
資格取得には、単なる「肩書き」以上の実利があります。
宅建士の知識をさらに深め、実務に活かせる
この資格は、宅建士(宅地建物取引士)の試験内容と親和性が非常に高いです。民法や区分所有法、不動産登記法などの知識を、より「競売」というエッジの効いた分野で深掘りするため、宅建士+αの専門性を構築できます。
競売不動産流通協会のネットワークを活用できる
試験に合格し、登録を済ませると、不動産競売流通協会の正会員として活動する道が開けます。協会が提供するデータやサポートツールを利用できるようになり、個人では取得が難しい「競売物件のデータベース」を武器にビジネスを展開できます。
投資家としてのスキルアップ
あなた自身が不動産投資家である場合、この知識は「最強の武器」になります。
- 3点セット(物件明細書・現況調査報告書・評価書)の読み解き
- 入札価格の計算(期待収益からの逆算)
- 落札後の強制執行や引渡し命令の手続き これらを自分一人でこなせるようになるため、コンサル料を浮かせるだけでなく、より確実な利益を追求できます。
どんな人に向いている資格か?
- 不動産業界でキャリアアップしたい
- 宅建の次のステップを探している
- 不動産投資に興味がある
- 競売物件を扱う業務に携わりたい
- 一般消費者の相談に乗れる専門家になりたい
競売不動産はニッチな分野ですが、専門性が高いため差別化しやすいのが魅力です。
競売不動産取扱主任者の資格試験について
分類
民間資格
受験資格
誰でも受験できます。
申込期間
8月上旬~10月下旬
申込方法
インターネットから申し込むことができます。
試験日
12月中旬
合格発表
翌年1月中旬
試験合格者は協会への登録と、「競売不動産取扱主任者」の登録証の交付申請が行えます。
競売不動産取扱主任者証発行手数料・・・・16,500円
登録要件
※下記いずれにも該当する方。
- 宅地建物取引士資格登録者または、宅地建物取引士試験合格者。
- 協会の主催す「競売不動産取扱主任者」登録時講習を受請した方。
受験料
12,500円
登録講習:16,500円(5年間登録料・主任者証発行手数料と合わせると33,000円となります。)
試験地
札幌、仙台、新潟、さいたま、千葉、東京、横浜、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
試験内容
50問、2時間、四肢択一式
- 不動産競売手続きに関する基礎知識
- 不動産競売の法理論と実務
- 不動産競売を理解する前提となる法律知識
- 競売不動産の移転、取得などに関する税金など
合格率
30%程度
勉強時間・勉強方法
勉強時間
勉強時間は、人によって異なります。以下は、一つの目安です。
20〜25時間程度
勉強方法
独学で取得可能です。
競売不動産取扱主任者の書籍
競売不動産取扱主任者の書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 一般社団法人不動産競売流通協会
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
競売不動産の専門家として信頼を得られる資格
競売不動産取扱主任者は、競売物件の専門知識を証明できる実務的な資格です。
- 受験資格なし
- 宅建学習者なら短期間で合格可能
- 不動産業界・金融業界・投資家にメリット大
- 市場の拡大で将来性も高い
競売不動産に関わる仕事をしたい方や、不動産の専門性を高めたい方にとって、非常に価値のある資格といえるでしょう。

