不動産業界の中でも、近年とくに注目度が高まっている資格が「ビル経営管理士」です。 オフィスビルや商業施設の運営・管理に関する専門知識を証明でき、プロパティマネジメント(PM)やアセットマネジメント(AM)領域で強く評価される資格として、多くの企業が取得を推奨しています。
本記事では、ビル経営管理士の概要、仕事内容、試験内容、難易度、勉強法までわかりやすく解説します。
ビル経営管理士とは?
ビル経営管理士は、一般財団法人日本ビルヂング経営センターが実施する公的資格(※国土交通大臣登録証明事業)です。
一言で言えば、「ビルの経営・管理に関する高度な専門知識を持つプロフェッショナル」であることを証明する資格です。
賃貸住宅管理との違い
よく「管理業務主任者」や「賃貸不動産経営管理士」と混同されますが、対象とするターゲットが全く異なります。
- 管理業務主任者: 主に分譲マンションの管理組合への報告や契約がメイン。
- 賃貸不動産経営管理士: 主にアパートやマンションなどの「居住用」賃貸物件がメイン。
- ビル経営管理士: オフィスビル、商業施設などの「業務用」ビルの経営・運営がメイン。
オフィスビルは賃貸住宅に比べ、空調・電気設備の複雑さ、テナント(法人)との契約形態、そして「収益最大化」を目的としたアセットマネジメント的な視点がより強く求められます。
ビル経営管理士の主な仕事内容
ビル経営の総合マネジメント
ビル経営管理士は、建物のハード面・ソフト面の両方を管理します。
設備点検や修繕計画の立案だけでなく、長期的な資産価値向上を見据えた戦略的判断が求められます。
テナント管理・契約業務
テナントとの賃貸借契約の締結・更新、条件交渉、クレーム対応なども重要な業務です。
法律知識やコミュニケーション能力が問われる場面が多く、信頼関係構築力が成果に直結します。
収益改善・空室対策
空室率の改善、賃料設定、リニューアル計画などを通じて、ビルの収益性を高める役割を担います。
マーケット分析や不動産市況への理解も不可欠です。
法令遵守・リスク管理
建築基準法、消防法、労働安全衛生法など、関連法規は多岐にわたります。
トラブルや事故を未然に防ぐためのリスクマネジメントも、ビル経営管理士の重要な使命です。
ビル経営管理士を取得するメリット
不動産業界での評価が高い
ビル経営管理士は、実務能力を重視する資格として業界内での信頼性が高く、
不動産会社・ビル管理会社・REIT関連企業などで評価されやすい資格です。
キャリアアップ・年収アップにつながる
管理職・責任者クラスへの昇進要件や、資格手当の対象になるケースも多く、
中長期的なキャリア形成に大きく貢献します。
独立・コンサルタントも視野に入る
経験を積めば、ビルオーナー向けの経営コンサルタントとして独立する道もあります。
資格+実務経験の組み合わせが強みになります。
ビル経営管理士はこんな人におすすめ
- 不動産・ビル管理業界で専門性を高めたい人
- 管理業務だけでなく「経営」に携わりたい人
- 宅建や管理業務主任者の次のステップを探している人
- 長く安定して働ける資格を取得したい人
特に、宅地建物取引士を取得後、次の上位資格を目指す方には非常に相性の良い資格です。
ビル経営管理士の資格試験について
分類
公的資格
受験資格
誰でも受験できます。
ただし、ビル経営管理士の認定を受けるには以下の条件を満たしてること。
- 5年以上の実務経験と賃貸ビル管理の実務経験、2年以上の者。
- 不動産経営管理の実務経験、5年以上でビル経営管理士講座の修了者。
- 賃貸ビル経営の実務経験、3年以上の者。
- 賃貸ビル管理の実務経験、2年以上でビル経営管理士講座の修了者。
申込期間
10月
申込方法
インターネットから申し込むことが出来ます。
試験日
12月中旬
合格発表
1月下旬
受験料
- 受験料:33,000円
- 登録手数料:22,000円
試験地
全国約300か所
試験内容
- 賃貸ビルの企画・立案に関する知識(択一式、用語選択式/60分)
事業企画(市場調査、敷地選定)、ビルの商品企画(テナント構成、建築意図)、ビル建設と法規制、不動産投資理論、不動産事業の税務と会計及び事業分析、不動産の証券化に関する仕組みと法制及び税制、長期事業収支計画・長期維持管理計画(ポートフォリオ)、不動産特定共同事業、業務管理者実務、不動産投資顧問業登録制度、デューデリジェンスの調査項目と結果分析、不動産投資市場及び不動産流通市場の知識及び分析、金融市場の動向に関する知識及び分析、遵法性の確保、アカウンタビリティー、プレゼンテーション、リスクマネジメント等を行う上で必要な専門知識について - 賃貸ビルの賃貸営業に関する知識(択一式、用語選択式/60分)
賃貸条件の設定、テナントの募集、テナントとの契約手続、テナントの入退去時の対応、テナント契約管理(退室・増室・同居・転貸・滞納等)、賃料・共益費の改定、テナントニーズの把握、その他(催事企画等)、リーシング・マネジメント等を行う上で必要な専門知識について - 賃貸ビルの管理・運営に関する知識(択一式、用語選択式/60分)
プロパティマネジメント体制・管理企画業務、資産管理業務、ビル運営管理コスト・エネルギーコスト管理、館内規則の策定、管理委託契約締結・委託管理業者管理・業務品質評価・業務品質管理、ビルメンテナンス(日常管理業務:施設・設備・警備・防災・環境衛生等)の管理、建物維持保全業務(点検・修繕・モダナイゼーション等)の管理、各種許可・届け出等の手続き、立入検査対応管理等、日常管理業務に関するテナント等への対応管理、コンストラクションマネジメント、デューデリジェンス(エンジニアリングレポート)、ライフサイクルコストマネジメント、複合用途のプロパティマネジメント等を行う上で必要な専門知識について - 総合問題(科目を一括した記述問題/60分)
合格率
70%程度
勉強時間・勉強方法
勉強時間
勉強時間は、人によって異なります。以下は、一つの目安です。
300〜500時間程度
勉強方法
過去問を徹底的にやり込む
公式サイトで過去問題集が公開されています。
ビル経営管理講座の受講も有効
総合問題が免除されるため、 合格率を上げたい人におすすめです。
ビル経営管理士xの書籍
ビル経営管理士の書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 一般社団法人日本ビルヂング協会連合会
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
ビル経営のプロとしての一歩を踏み出そう
ビル経営管理士は、単なる知識の暗記で終わる資格ではありません。 それは、「建物を守る立場」から「建物を経営する立場」へ視点を引き上げるためのパスポートです。
- 不動産業界で頭一つ抜け出したい
- PM・AMのプロフェッショナルとして活躍したい
- ビルの資産価値を最大化させるノウハウを学びたい
もしあなたがそう思うなら、今すぐ学習を始める価値は十分にあります。

