Microsoft Office Specialist(MOS)は、Microsoft Office製品の操作スキルを客観的に証明できる国際資格です。その中でもMOS Accessは、データベースソフト「Microsoft Access」の実務スキルを証明できる、非常に専門性の高い資格として位置づけられています。
ExcelやWordのMOSと比べると、ややマイナーな存在ではありますが、業務効率化・データ管理・情報活用といった分野においては、Accessスキルは今なお高い価値を持っています。
本記事では、MOS Accessの概要から試験内容、難易度、勉強方法、そしてどんな人におすすめなのかまで詳しく解説します。
MOS Accessとは
MOS(Microsoft Office Specialist)は、Microsoft Office製品の操作スキルを証明する国際資格です。その中でもAccessは、データベース管理に特化した部門で、以下のような操作スキルを問われます。
- テーブルの作成・編集
- クエリの作成(抽出・更新・集計など)
- フォームの設計
- レポートの作成
- リレーションシップの設定
- データベースの最適化
Excelが「表計算ソフト」であるのに対し、Accessは「データベース管理ソフト」。 大量データを扱うほど、Accessの真価が発揮されます。
Accessスキルが求められる理由
Excelでもデータ管理は可能ですが、データ量が増加したり、複数のユーザーで共有・同時編集したりする場合、破綻しやすくなります。Accessは、リレーショナルデータベースの仕組みを使い、データを「テーブル」に分けて整理し、「クエリ」で必要な情報を瞬時に抽出し、「フォーム」で入力を容易にし、「レポート」で印刷・集計を行うという、データベース管理の一連の流れを可能にします。
MOS Accessを取得することは、あなたが「効率的なデータベース設計・運用」の知識とスキルを持っていることを、世界共通の基準で証明するということです。
MOS Accessを取得するメリット
Accessのスキルは、特に事務職、経理、営業事務、そしてIT部門などで非常に強力な武器になります。
業務効率の劇的な向上
手作業で行っていたデータの突き合わせや集計、報告書の作成などを、Accessのクエリ機能やレポート機能を使えば、数クリックで自動化できます。これにより、作業時間が大幅に短縮され、ルーティンワークから解放されます。
データ分析・活用の提案力アップ
単にデータを入力するだけでなく、「どのような設計にすれば、後で分析しやすいか」「どういうクエリを組めば、ビジネス上の疑問に答えられるか」といった、より深いデータ活用の視点が身につきます。これは、データに基づいた意思決定を支援する、高度なビジネススキルです。
データ管理スキルを客観的に証明できる
Accessは「使える人が少ない」分、できる人の価値が高いスキルです。
MOS Accessを取得していれば、履歴書や職務経歴書で明確なアピールが可能です。
MOS Accessはこんな人におすすめ
- Excelでのデータ管理に限界を感じている人
- 事務職・管理職としてスキルアップしたい人
- 業務改善・効率化に関わる仕事をしている人
- IT系資格へのステップアップを考えている人
特に、「他の人と差別化できる資格が欲しい」という方には、MOS Accessは非常におすすめです。
MOS Accessの資格試験について
分類
民間資格
受験資格
特にありません。年齢・国籍を問わずどなたでも受験できます。
申込期間
- 随時試験:各認定試験会場へお問合わせください(3営業日~1週間前)
- 全国一斉試験:試験日の約1ヶ月~1ヶ月半前から申込み開始
申込方法
インターネットで申し込みできます。
試験日
- 随時試験:各試験会場が設定した日程
- 全国一斉試験:毎月1回
合格発表
試験終了直後に判定されます。
受験料
- 一般価格:12,980円
- 学割価格: 9,680円
試験地
- 随時試験:全国約1500の試験会場より選択
- 全国一斉試験:全国 約30の受験地域より選択
試験形式
コンピュータ試験(CBT方式)
試験内容
Access (一般)
- データベースの作成と管理
データベースを作成する、変更する
リレーションシップとキーを管理する
データベース内を移動する
データベースを保護する、管理する
データを印刷する、エクスポートする - テーブルの作成
テーブルを作成する
テーブルを管理する
テーブル内のレコードを管理する
フィールドを作成する、変更する - クエリの作成
クエリを作成する
クエリを変更する
クエリ内で集計やグループ化を行う - フォームの作成
フォームを作成する
フォームにコントロールを設定する
フォームを書式設定する - レポートの作成
レポートを作成する
レポートのコントロールを設定する
レポートを書式設定する
Access (エキスパート)
- データベースの管理
データベースの構造を変更する
テーブルのリレーションシップとキーを管理する
データを印刷する、エクスポートする - テーブルの作成と変更
テーブルを作成する
テーブルを管理する
テーブルのレコードを管理する
フィールドを作成する、変更する - クエリの作成と変更
クエリを作成して実行する
クエリを変更する - レイアウトビューを使ったフォームの変更
フォームにコントロールを設定する
フォームを書式設定する - レイアウトビューを使ったレポートの変更
レポートのコントロールを設定する
レポートを書式設定する
合格率
70〜80%前後
勉強時間・勉強方法
勉強時間
ACCESS初心者の場合
- 一般:40~60時間
- Expert:80~120時間
ACCESS経験者の場合
- 一般:20~30時間
- Expert:40~60時間
勉強方法
独学で取得できます。
MOS Accessの書籍
MOS Accessの書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
MOS Accessは“知る人ぞ知る”実務型資格
MOS Accessは、派手さはありませんが、実務で本当に役立つスキルを証明できる資格です。
データを正しく管理し、活用できる力は、今後ますます重要性を増していくでしょう。
「Excelだけでは物足りない」
「一歩踏み込んだスキルを身につけたい」
そう考えている方にとって、MOS Accessは確実に価値のある選択肢です。
ぜひ、資格取得を通じて、データを使いこなせる人材への一歩を踏み出してみてください。

