不動産に関わる資格は数多くありますが、その中でも「不動産鑑定士」は別格の存在です。国家資格の中でもトップクラスの難易度を誇り、専門性・社会的信用・収入面のすべてで高い評価を受けています。 しかし、その実態は一般にはあまり知られておらず、「どんな仕事をするのか」「どれくらい稼げるのか」「どんな人に向いているのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、不動産鑑定士の魅力・難易度・勉強方法まで深掘りしていきます。
不動産鑑定士とは
不動産鑑定士とは、不動産の「適正な価格」を専門的・客観的に評価する国家資格です。
不動産の価格は、立地や用途、経済情勢、法規制など、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。それらを総合的に分析し、鑑定評価書という形で価値を示すのが不動産鑑定士の役割です。
不動産鑑定士は、不動産鑑定評価における唯一の独占業務資格であり、法律上も高い専門性が求められています。
主な業務内容
- 不動産の鑑定評価書の作成
売買、相続、担保評価、企業会計などで利用される公式文書です。 - 地価公示・地価調査の評価員
国や自治体の地価調査に携わる、公共性の高い仕事です。 - 企業の不動産戦略コンサルティング
CRE戦略、M&A、減損会計など、企業の意思決定を支援します。 - 裁判関連の評価
離婚、相続、税務訴訟などで不動産価値を争う際に鑑定意見を提出します。
不動産鑑定士は「不動産の価値を言語化し、数字で説明できる唯一の国家資格」と言っても過言ではありません。
不動産鑑定士のメリット・デメリット
メリット
- 圧倒的な専門性
「不動産の価格」という極めて重要な指標を扱えるため、社会的な信頼度が抜群に高いです。 - 不況に強い
景気が良くても悪くても、裁判や相続、銀行の担保評価は発生します。仕事がゼロになるリスクが極めて低いです。 - ワークライフバランス
繁忙期(1月〜3月の公的評価時期)は忙しいですが、それ以外は自分でスケジュールをコントロールしやすい仕事です。
デメリット
- 試験がとにかく辛い
合格までの道のりが長く、孤独な戦いになります。 - 責任の重さ
自分の書いた価格が、裁判の行方や企業の経営を左右します。プレッシャーは相当なものです。 - 地味な作業が多い
役所での資料調査や、猛暑・極寒の中での現地調査など、泥臭い作業も欠かせません。
不動産鑑定士に向いている人の特徴
- 不動産・土地に強い興味がある
- 数字やデータ分析が苦にならない
- 法律・経済・会計を横断的に学びたい
- 長期的な努力を継続できる
- 高い専門性で社会に貢献したい
「楽に稼げる資格」ではありませんが、一生モノの専門職を手に入れたい方には非常に魅力的な資格です。
不動産鑑定士の資格試験について
分類
国家資格
受験資格
誰でも受験できます。
申込期間
2月上旬~3月中旬
申込方法
- 書面申請: 例年 2月中旬~3月上旬
- 電子申請: 例年 2月中旬~3月上旬
試験日
- 短答式:5月中旬
- 論文式:8月上旬の3日間
合格発表
- 短答式:6月下旬
- 論文式:10月中旬
受験料
- 書面申請:13,000円(論文式試験も含む)
- 電子申請:12,800円(論文式試験も含む)
試験地
- 短答式:北海道・宮城県・東京都・新潟県・愛知県大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県
- 論文式:東京都・大阪府・福岡県
試験内容
- 短答式
行政法規(択一式40問/2時間/配点100点)、鑑定理論(択一式40問/2時間/配点100点) - 論文式
民法、会計学、経済学(大問2問/2時間/配点100点)
鑑定理論(大問4問/4時間/配点100点・演習1問/2時間/配点100点)
※試験に合格後、実務修習を終了し、国土交通省の名簿に登録を受けたものが不動産鑑定士となれます。
合格率
35%程度
勉強時間・勉強方法
勉強時間
2,000時間~3,700時間程度
勉強方法
独学での合格はかなりハードルが高いので、スクールでの講座受講をお勧めします。
不動産鑑定士の書籍
不動産鑑定士の書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 国土交通省 不動産・建設経済局
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
不動産鑑定士は「本気の人」だけが目指す価値ある資格
不動産鑑定士は、
- 難易度は非常に高い
- 勉強期間も長い
- しかし、その分リターンも大きい
という、ハイリスク・ハイリターン型の国家資格です。
不動産の価値を見極める力は、社会にとって不可欠なスキル。
「不動産の専門家として最高峰を目指したい」「一生通用する資格を手に入れたい」という方にとって、不動産鑑定士は間違いなく挑戦する価値のある資格です。

