今の時代、私たちの生活は家電なしでは成り立ちません。冷蔵庫、洗濯機といった「白物家電」から、スマートフォン、AIスピーカー、そして最新のVODサービスまで、選択肢は無限に広がっています。
しかし、こう思ったことはありませんか? 「結局、自分に一番合っている家電はどれなの?」 「設定が難しくて使いこなせていない気がする……」
そんな消費者の悩みを解決し、スマートな暮らしを提案するプロフェッショナル、それが「家電製品アドバイザー」です。
この記事では、資格の特徴、試験内容、難易度、活かし方、勉強法まで徹底的に解説します。
家電生活アドバイザーとは
家電生活アドバイザーは、一般財団法人 家電製品協会が実施する民間資格です。
家電製品の正しい使い方や選び方、省エネ性能、関連法規、アフターサービスなど、消費者目線で家電を説明・提案できる知識を証明します。
特に以下の点が特徴です。
- 家電製品の基礎構造・仕組みを理解できる
- 生活者の立場に立った提案力が身につく
- 販売・接客・相談業務に直結する実務資格
「家電の専門家」として、現場で即戦力になれる資格といえるでしょう。
家電生活アドバイザーは2つの資格で構成されている
家電生活アドバイザー資格は、以下の2資格を取得することで認定されます。
① 家電製品アドバイザー
- 家電製品の構造・機能・性能
- 省エネ・安全性
- 関連法規(電気用品安全法など)
② 生活家電アドバイザー
- 家電と暮らしの関係
- ライフスタイル別の提案
- 高齢者・子育て世帯への配慮
- アフターサービス・消費者対応
この2資格に合格することで、家電生活アドバイザーとして認定されます。
家電生活アドバイザーを取得するメリット
家電量販店・販売職で評価されやすい
家電量販店や専門店では、「商品説明ができる人材」は非常に重宝されます。
家電生活アドバイザーは、
- 家電メーカー任せではない知識
- お客様に寄り添った説明力
を証明できるため、販売スタッフのスキルアップ・評価向上につながります。
接客力・提案力がワンランク上がる
単にスペックを説明するのではなく、
- 家族構成
- 住環境
- 電気代や省エネ意識
を踏まえた提案ができるようになるのが大きな魅力です。
「この人に任せたい」と思われる接客ができるようになります。
家電メーカー・関連業界でも活かせる
家電生活アドバイザーは、以下のような職種でも役立ちます。
- 家電メーカーの営業
- サービス・サポート窓口
- 家電系コールセンター
- リフォーム・住宅設備関連
家電と暮らしの両面を理解している点が強みです。
家電好き・主婦・シニア層にも人気
実務資格でありながら、
- 主婦・主夫
- セカンドキャリアを考えるシニア
- 家電好きの一般層
にも人気があります。
「自分の生活にも役立つ知識」が身につく点は大きなメリットです。
家電生活アドバイザーに向いている人
以下に当てはまる方には特におすすめです。
- 家電量販店・販売職で働いている
- 接客スキルを高めたい
- 家電メーカー・関連業界を目指している
- 家電が好き、最新家電に興味がある
- 暮らしに役立つ知識を身につけたい
「人に説明するのが好き」という方にも向いています。
家電生活アドバイザーはどんなキャリアに活かせる?
- 家電販売のスペシャリスト
- 売り場責任者・教育担当
- 家電アドバイザーとしての社内評価向上
- 将来的な独立・相談業務
家電生活アドバイザーの資格試験について
分類
民間資格
受験資格
誰でも受験できる
申込期間
7月中旬~8月中旬
1月中旬~2月中旬
申込方法
インターネットで申し込み出来ます。
試験日
年2回(9月、3月)
合格発表
試験から約1か月後
受験料
- AV情報家電・生活家電 両資格を受験【3科目受験】:15,600円
- AV情報家電・生活家電 いずれかの資格を受験【2科目受験】:9,400円
- 試験科目の免除により2科目を受験:12,400円
- 試験科目の免除により1科目を受験:6,200円
試験地
全国約300か所のCBT試験会場
試験内容
家電製品アドバイザー(AV情報家電)
- AV情報家電 商品知識と取扱い
①デジタル技術の基礎、②テレビ放送、③テレビ受信機、④デジタルディスクレコーダー、⑤デジタルビデオカメラ、⑥デジタルカメラ、⑦ホームシアターとオーディオ機器、⑧AV機器の接続・設定、⑨ドライブレコーダーとナビゲーションシステム、⑩パソコン、⑪プリンター、⑫電話、⑬インターネット・AVネットワーク、⑭電池、⑮電源、⑯防じん・防水 - CS・法規(共通)
①CS総論、②現代社会のCS、③礼儀・マナーの基本、④販売におけるCS ポイント、⑤不具合発生時のCS、⑥環境・省エネに関する法規、⑦消費者とのコミュニケーションに際し留意すべき法規、⑧知的財産保護に関する法規、⑨独占禁止法・景品表示法とそれらに関連するルール、⑩製品安全に関連する法規
家電製品アドバイザー(生活家電)
- 家電製品アドバイザー(生活家電)
①エアコン、②空気清浄機、③除湿機、④加湿器、⑤扇風機・サーキュレーター、⑥換気扇・浴室換気暖房乾燥機、⑦冷蔵庫、⑧IHジャー炊飯器、⑨IHクッキングヒーター、⑩オーブンレンジ・電子レンジ、⑪洗濯機・洗濯乾燥機、⑫掃除機、⑬ふとん乾燥機、⑭アイロン、⑮照明器具、⑯ヒートポンプ給湯機、⑰温水洗浄便座、⑱温水洗浄便座、⑲太陽光発電システム、⑳電源、㉑電池、㉒電気ファンヒーター・電気カーペット・電気毛布・電気こたつ、㉓ドライヤー・電動歯ブラシ・シェーバー、㉕共通事項 - CS・法規(共通)
①CS総論、②現代社会のCS、③礼儀・マナーの基本、④販売におけるCS ポイント、⑤不具合発生時のCS、⑥環境・省エネに関する法規、⑦消費者とのコミュニケーションに際し留意すべき法規、⑧知的財産保護に関する法規、⑨独占禁止法・景品表示法とそれらに関連するルール、⑩製品安全に関連する法規
科目免除
- 2024年3月または2024年9月の試験において、いずれかの科目に合格されていた場合、2025年3月試験においては科目合格者として合格した科目の試験を免除します。
- AV情報家電または生活家電のいずれかの資格保有者が、もう一方の資格試験を受験する場合、「CSと関連法規」の科目の試験を免除します。
合格率
25%
勉強時間・勉強方法
勉強時間
60時間前後
勉強方法
独学で取得可能です。
家電生活アドバイザーの書籍
家電生活アドバイザーの書籍を以下のリンクから検索することができます。
役立つサイト
- 独立行政法人 国民生活センター
主催団体のサイトです。試験の最新情報をチェック出来ます。
家電生活アドバイザーは「暮らしに寄り添う家電のプロ」
家電生活アドバイザーは、
- 家電知識
- 生活者目線
- 接客・提案力
をバランスよく身につけられる実務資格です。
「家電を売る人」から「家電で暮らしを支える人」へ。
そんなステップアップを目指す方に、家電生活アドバイザーは非常におすすめの資格といえるでしょう。

